スロット 機械割 一覧

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 ――貴方ならこの状況、どう考えますか?皆さま、ここまでのご愛読ありがとうございます

第8章はここまでとなります

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これからもご愛読下されば幸いです

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それでは

「結果的に、あの後何度か目標と接触、戦闘を繰り返しながら一時的に森の全域をマッピングすることに成功して、全ての穴をふさぐことに成功したんだ、これで目標は本当に袋の鼠・・・というわけだが」「そうっすか、平坂さんの方は?」これで目標を追うのに時間をかけられるが、今必要なのは平坂の行方だ正直森の中にいる方よりもそちらの方が重要度は高いもう一人の犯人の可能性が消えない以上、そしてその可能性が濃厚になっている以上、陽太たちが本来気にするべきはそっちなのだ「城島先生から方々に掛け合ってくれてね、予定よりずっと早く洞窟の入り口を完全に包囲できたらしい、先遣隊としていくつかの部隊が突入しているとも聞いた・・・距離的と時間的に確保と保護も時間の問題だろうと思う」どうやら外につながる道は随分と長いものらしい、少なくとも間に合ったと後藤は判断しているようだったこうなってしまうとすでに陽太たちがこの場にいることに意味はない陽太たちの実習内容は平坂の護衛護衛対象はすでに誘拐され、そちらの方もすでに解決にめどが立っている今から移動してそちらに加わろうにも全員心身共に大きく疲弊している、まともに行動できるとは思えなかった「君たちはとにかく休みなさい、後のことは任せて・・・部屋は好きに使ってくれて構わないから」そういって後藤はその場から足早に去っていく恐らくは森の方にいる部隊に指示を送りに行ったのだろう時間をかけられるとはいってもそれも早いに越したことはない一刻も早く解決して学生たちを早く本当の意味で休ませてやりたいのだろう、こんな状況になってしまってかける言葉が見つからないというのもそうだが、あれ以上憔悴しきった三人を見ていられなかったというのもある宿舎に戻って明利を女子の部屋に寝かせ、食事をとりながら待っているあいだ、陽太も鏡花も一言も声を発することはなかった異常な状態になってしまっている陽太と、頭と心の整理がつかない鏡花この二人が一緒にいてここまで長い沈黙を続けるのは今までなかったことだった睡眠薬の効果時間の二時間を過ぎても、静希の左腕を掴んで離さない状態の明利は起きなかった恐らく限界まで体を酷使したせいで疲労が蓄積していたのだろう無理もない、体力に自信のある陽太でさえ少し疲れてしまっているのだからそれが肉体的か、精神的かはわからないが何度かその様子を城島が見に来たが、あまりの三人の変わりようにわずかに拳を握ってから何も言わずに退室していた彼女も部隊の人間が死ぬということは体験しているだろうだが陽太や明利にとって静希は幼いころから一緒にいた友人だそのショックは計り知れないだからこそ、何もいう事が出来なかった明利が目を覚ましたのは十九時になろうというところだったすでに日は落ち、そろそろ夕食になろうという頃に、穏やかな寝息を立てていた明利はゆっくりと目を覚ました「起きたか・・・」その場で明利が目覚めるのを待っていた陽太と鏡花がその顔をのぞき込むと、明利はあたりを見回しながら今どういう状況なのかわかっていないようだった「あれ・・・?ここは?私・・・何で眠って・・・?」一度意識を失ったことで少し記憶が混濁しているのか、今の状況が本気で理解できないようだった当然と言えば当然かもしれない、あれだけの興奮状態の中で強制的に昏睡させられたのだ「明利、大丈夫?どっか痛かったりしない?」「鏡花さん・・・?・・・陽太君も・・・あれ?静希君は?静希君はどこ?」その言葉に鏡花は目を見開いた記憶障害、と言えるほどのものだろうか、急激な感情と状況の変化に頭が追い付いていないのか、明利はしきりに静希の姿を探していた「ねえ二人とも、静希君はどこ?どこに行ったの?ねぇ!」静希の名を呼ぶうちに記憶が徐々によみがえってきたのか、明利の声に力がこもる、その眼は徐々に恐怖に染まっているように見えた信じられない、信じたくないといった様子で明利は鏡花の服の裾を必死につかみながら静希はどこかと尋ねている「あれは夢なんだよね!?静希君が・・・静希君の腕が・・・あれは私の見た夢なんだよね!?そうなんでしょ!?」明利の悲痛な声が部屋の中に響く中、陽太が鏡花の服を掴んでいた明利の手をやさしく掴んで離させるその表情は何もない、悲しみも哀れみも、怒りさえもない本当の無表情今まで陽太のこんな顔を見ていない明利は一瞬ひるんで言葉を止めた「明利、俺・・・ウソ下手だからさ、はっきり言っておく・・・静希は死んだと思う」死体を確認していない以上、確定ではないものの、あの状態で生き残れる可能性は限りなく低い少なくともあれに巻き込まれた軍の人間は全員死んでいた、大した能力を持たない静希が生き残れるとは思えない「そん・・・うそ・・・嘘だよ・・・静希・・・君が・・・」「本題はそっちじゃない・・・これからの話をするぞ」

「本題?あんた何言ってんの?」静希が死んだことが本題ではない陽太のその物言いに鏡花はわずかに頭に来ていた今の陽太の状況は異常だ、明らかに正常な思考をしていないだからと言って親友とも呼べる静希の死をそっち程度の扱いをしていいはずがない「後藤さんから聞いたが、穴は全部塞いで犯人に逃げ場は無い、平坂さんの方も先生ががんばってくれて問題ないそうだ・・・もう俺らが何もしなくても事件は解決するだろうって」「・・・」陽太の静かな言葉を明利は放心しながら聞いていた、本当に聞こえているのかも定かではないが、それでも陽太は言葉を続ける「俺は明日、森の中に入って静希の仇を討ちに行く」「は!?」「っ!」陽太の言葉に鏡花が驚き、明利がわずかに反応する先程の話から一転、何もしなくてもいい状況なのに陽太はさらに事件に首を突っ込もうとしているいや、もはや本来の事件は違うのだろうこれは静希の幼馴染である陽太の問題なのだ「誰も起きてない早朝、四時過ぎくらいに起きて、日の出少し前くらいに出発してあいつを探して一発ぶんなぐる、そのついでに拘束して軍に引き渡すつもりだ、お前らにも協力してほしい」すでに早朝から行動する理由もない今、早朝からの行動であれば相手もこちらも動いていないことがあり得るこの時期の日の出は五時半くらい、五時に出発したとして日は登っていないまでも空が白んでくる時間のはず、完全な暗闇とはいかない上に奇形種もほとんどが寝ているだろうライトや光源を持っていれば問題なく行動が可能な範囲である平坂の奇形種の調査という目的がなくなった今、軍の人間もわざわざ視界の悪い日の出前には動くことはしないだろう「やるかやらないかはお前達が選べ、お前たちが来なくても俺はいく」「・・・確認するけど・・・捕獲なの?・・・その・・・殺すんじゃなくて・・・」陽太の言葉にあった拘束という言葉に、鏡花はわずかな違和感を覚えた陽太ならこの場面で殺してやると言いそうなものだ、少なくとも今までの陽太を見てきてそういうだろうと鏡花は思っていた「俺だって殺してやりたいさ・・・でも静希ならたぶん、こう言うんじゃないか?『簡単に殺してやらない・・・生き地獄を味わわせてやる』って・・・」それは確かに静希のいいそうなセリフだ静希なら敵を一撃のもとに楽にさせるようなことはしないだろう苦痛を味わわせて回復して、何度も何度も何度も何度もその体と心に痛みを植え付ける今まで一緒にいた静希は、そういう男だった「晩飯貰ってくる・・・俺が帰ってくるまでに決めてくれ」夕食をこの部屋に持ってくるつもりなのか、陽太が席を離れ部屋から出ていくと、その場にわずかな静寂が訪れる状況についていけない鏡花はもう頭も心もぐちゃぐちゃだったおかしくなってしまった明利と陽太に、もうどうしたらいいかわからなくなってしまっているのだ「・・・静希君に・・・」「え?なに?」明利のつぶやきに、鏡花はとっさに反応した何を言うつもりなのかもわからず、自分の腕の中にある静希の左腕を見つめる明利に鏡花は視線を向け続けている「・・・言いたいこと・・・たくさん・・・あったんだ・・・ずっと・・・言えなかったけど、言いたいこと、言いたかったこと・・・たくさん・・・たくさん・・・!」言葉を紡ぐ中で明利の目から涙がこぼれ、今まで抑えられていただろう感情が噴き出したかのように泣き始めてしまうそんな明利を見ていられなかったのか、鏡花は明利の小さな体を抱きしめて歯を食いしばるその眼からはわずかに涙が浮かんでいる明利は今になって、静希が死んだということの実感が出てきたのだろう泣き始めてしまったらもう止まらなかった声を、涙を、鼻水を、鏡花がいることも憚らずに悲しさと後悔を押し流すように泣き続けるその声は夕食をとってきた陽太にも聞こえてきた食堂から配膳台を借りてきて三人分持ってきたところで、陽太はその声を聞いていた幼馴染が泣いている静希が死んだことで、悲しさに耐えられずに、声を出して泣いているだというのに、陽太の瞳からは一滴も涙がこぼれなかった自分の頬をわずかに触って、濡れない指先を眺めて呆然と立ち尽くすしかできなかった泣き声が少しおさまったところで、陽太は部屋に入る配膳台ごと部屋の中に入れ、少しだけ冷めてしまった料理を近くにあったテーブルの上に並べていく無表情でただ料理を置いていく陽太を見て、鏡花はまた涙が流れそうになった異常になった、なってしまった自分の友人たちをみて、どうすることもできない自分が情けなくて「答えは出たか?明日、どうするか」僅かに収まった泣き声のおかげで、陽太の言葉はしっかりと明利の耳にも鏡花の耳にも届いていた数秒間、反応がない中、陽太は少し冷めた食事を口の中に入れ始める食べながら答えを待つつもりらしい鏡花は迷っていた班長としては、これ以上危険な真似をする陽太を止めるのが自分の仕事だと理解しているすでに自分たちが出る必要はなく、何より出ても危険に晒されるだけ、得られるものは自己満足にも満たない何かだろうそれでも陽太は行こうとしている、自分の幼馴染の意志を携えて、仇を取りに行こうとしている殺さない、最も残虐な方法で鏡花が迷っていると、鏡花の腕の中で泣いていた明利がゆっくりと動いてその腕から逃れていくそして自分の腕で流れた涙と鼻水を拭っていく目は真っ赤に充血し、鼻も赤く、誰が見ても泣き腫らしたということがわかる状態だったそれでも、その眼は強い意志を秘めている「行く・・・私も行くよ・・・」「ちょっ!明利・・・あんたまで・・・」まっすぐに陽太を見つめる明利に、鏡花は驚愕しながら二人を見比べる陽太だけならまだわかるが、まさか明利までこんな発言をするとは思わなかった普段なら行かなくてもいいなら行かないというかもしれない、怖いことは苦手とし、はっきりと自分の意思を伝えることが苦手な彼女なら答えを濁すこともあるかもしれないだが、今の明利ははっきりと行くと、そう言った「一応確認しとくけど、わかってんのか?相手は能力者、死ぬかもしれないぞ?」爆炎という能力がわかっている以上、陽太の安全はほぼ確定的だなんせ炎はすべて無効、衝撃などもほとんどダメージにならないのだから能力を発動した状態の陽太に打撃などでダメージを与えるにはエルフか悪魔級の攻撃をしなくてはならないだが明利は違う身を守るような術はなく、あるのは索敵と少し成長速度を上げる強化能力と応急処置レベルの治療そんな明利が危険地帯に首を突っ込むこと自体自殺行為なのだ「・・・わかってる、危ないってことは、十分理解してる・・・でも行く、止められても行く」「・・・そうか、わかった・・・」明利の索敵があるかどうかで陽太の言う作戦の成功率はかなり上下する何せかなり広く視界も狭い森の中でどこにいるかもわからない相手を右往左往して探さなければならないのだだが明利がいればすでにかなりの索敵を終えているためにかなり高確率で対象を見つけることができるだろう彼女の索敵範囲を伸ばしながら行動するという意味でも早朝での行動は意味を成すのだ「鏡花、お前はどうする?ついてくるか?残るか?・・・それとも、止めるか?」陽太の言葉に鏡花は一瞬身を強張らせる止めるべきだ、班長として、これ以上危険な目に遭わせる訳にはいかない鏡花の脳裏に、今までの静希の思い出がフラッシュバックする走馬灯にも似た、まるで最後の思い出とでもいうような、回想の数々そして最後に見えたのは、明利の泣き顔だった「班長として・・・これ以上あんたたちを危険なところに行かせるわけにはいかない・・・冷静に考えれば、正しいことなんてすぐにわかる・・・止めるのが、ここは正しい判断よ」その言葉に、明利と陽太はわずかに眉をひそめたが、同時に鏡花は大きくため息をついた「でもね・・・ダメだわ・・・あんたらと一緒にいて私もバカになったかな・・・」「・・・それじゃあ・・・」明利の言葉に、鏡花はあきらめたような笑みを浮かべてお手上げのポーズをする笑みとは対照的に、その瞳は、諦めたというものではなく何かを決めたような、そんな感情を読み取ることができる「あんたらが好き勝手暴れて、私が後始末・・・だもんね、この班は、そういう班だもんね・・・私はそういう班が好きだったんだから」文句を言いながらも、いやいやながらでも、鏡花はこの班の空気が嫌いではなかったむしろ好ましかった、自分がしっかりと存在出来て、自分と対等でいてくれるバカな奴らがいる、そんな破天荒なこの班が「私は最後まで、この班の班長よ、あんたらは好き勝手暴れなさいよ、私が行って、ちゃんと後始末してあげるから」その言葉に、明利はわずかに笑みを取り戻していたそれはとても弱弱しく、僅かに申し訳なさそうにしている笑みだったそして陽太は笑わない、僅かに息をついて鏡花の方から視線をそらさなかった「悪いな・・・いつも迷惑かけて」「そう思ってるならもう少し自重しなさいっての・・・本気でそう思ってるならね」鏡花の言葉に、陽太は何の返答もしないで食事を終えて息をつく「明日早いからな、早めに寝ておけよ?俺はもう寝る」配膳台と食事を残したまま、陽太はその場から去っていくこの後始末も頼むということなのか、ただ単に忘れただけなのかどちらにしろ鏡花はまったくもうとため息をついて、もう冷めてしまった食事を食べ始めるそれを見て明利も、冷めてしまった料理を口の中に入れていく栄養を蓄えなくてはいざという時に動けない食べておく必要があるのだ、今、こうしていられるうちに「鏡花さん・・・お願いがあるんだけど」「ん?なに?」食事を終えて片付けようとしている中、明利のつぶやきで鏡花は振り返った明利は窓から外の景色を眺めているその瞳が何を映しているのか、鏡花には理解できなかった「今日は・・・一人にしてくれないかな・・・無理を言ってるのは・・・わかってるけど・・・」女子に割り振られた部屋はこれだけだ、ここから出るということはどこかに行かなくてはならないそれがどれだけ迷惑なことか、明利だってわかっているだろうだが明利がどういう状況なのか、鏡花だって理解していた一人になって気持ちの整理をつけたい時だってある、いや明利は気持ちの整理をつけなくてはならないのだ明日、しっかりと行動するために少し立ち直ったように見えているが、まだ明利は危うい状況だ、少しでも安静にさせておくのがベストだろうと、鏡花は判断した「わかったわ、今日は陽太のとこにでも潜り込むことにする」「・・・ごめんね」「いいわよ、気にしないで、あいつが手を出して来たらフルボッコにしてやるんだから!」そんな風に気丈に振る舞って鏡花は配膳台に食べ終えた食器を置いてとりあえず食堂に持っていくことにするあの時は思わずわかったなどと言ったが、実際にはどうしたものか城島の部屋はわからないから誰かに聞かなくてはならないし、もしあってもほかの人が一緒にいたら使えないかもしれない何より明日無断で攻勢に出ようというのに監督役である城島のところにいては自由に動けない可能性がある、この時点で城島の部屋というのは選択肢から消えていた陽太の部屋ならば、確実に静希の使っていたベッドが空いているだろうが、男子と同じ部屋で寝泊まりするなど小学生以来だそんなことを気にしていられる精神状態ではないが、少しくらい緊張してしまうのだ食器を片付けた後、陽太に部屋に入れてもらえるように交渉しようとノックするが返事がないもしかしたらもう寝てしまったのだろうかとドアをわずかに開けると、部屋は真っ暗だ目を凝らして陽太が寝ているかどうか判断しようと思ったのだが、何かおかしい鏡花は部屋の電気をつけて中を確認すると、そこには誰もいなかった「陽太・・・?」てっきりすでに床に就いているものと思っていたが、どちらのベッドにも陽太の姿はなく、彼のものである携帯が置かれているのみだどこかに行っているのか、それにしてもいったいどこに?冷静になった時の陽太には気をつけろ静希の忠告が脳裏に過る中、鏡花は陽太を探すために行動を開始していたロビーまで来ると、そこにはまだ何人かの部隊の人間が話していた、死者が出たことで多少浮足立っているものの、まだ平静を保てているようだ「あのすいません、陽太を・・・うちの班の前衛を見ませんでしたか?」鏡花に唐突に話しかけられたことで隊員は少し驚いたようだが、その姿を見てわずかに表情を変える気の毒そうな、残念そうな、哀れみにも似た表情であることがわかった「あぁ・・・彼、大丈夫なのかい?ふらふら歩いてどっか行っちゃったけど・・・」「どこに行きましたか!?」「え・・・いや、外に出ていったのを見ただけで、どこに行くかまでは・・・」それだけ聞いて鏡花は走って玄関から外へと出ていく近くに陽太の姿はない、すでに暗くなったこの近辺では視覚での捜索は難しいだろう「あのバカ・・・何で携帯をもっていかないのよ・・・!携帯電話の意味考えなさいよね!」携帯していなければ携帯電話とは言えない、とはいえそんな悪態をついている場合でもない先程自分も言った、後始末は自分の仕事である静希が気をつけろと言ったのだ、自分に対して、そういったのだならば自分は今の陽太を放っておくわけにはいかない何をするか、どうなるのかわからない危険物状態の陽太を放っておけるほど、鏡花は耄碌していないのだとはいえ探すと言っても陽太がどこにいるか、あたりを散策するも、建物の近くには陽太の姿はないいったいどこに行ったのかと考える中、ではこの状況でなぜ外に出歩いたのかという考えにいたる何か理由がある陽太自身早く寝ることを勧めておきながら、自分がそれをしない理由そして陽太がああなった原因を思い出して、鏡花は確証のないまま走り出した鏡花が向かったのは地下水が川と合流する場所、ちょうど死者が大量にいたあの場所である瓦礫も撤去され、死体もすべて片づけられてそこにはもうただの川以外の景観を見出すことはできない周囲からは時折風の音と、水のせせらぎが聞こえるだけ完全な静寂とは言えないが、風情のある場所だった水場が近いからか、宿舎付近よりもわずかに気温が低いようにも思えるそんな場所に、陽太はいた日曜日と誤字報告五件たまったので三回分まとめて投稿誤字の多さを考えるともう一日くらい複数投稿の日を増やしてもいいかもしれないと思う今日この頃これからもお楽しみいただければ幸いです

「・・・鏡花か・・・?」自分に近づく足音を聞いて、振り向きもせずにそういう陽太はただ一点を見つめているそこは静希の腕が見つかった場所だすでに瓦礫はないために、ただの小石がそこにあるだけ、昼間にあれほど凄惨な光景が広がっていたのと同じ場所とは思えないほどである「せめて振り向きなさいよね・・・まったく・・・」何でこんなところにと言いかけて鏡花は止める何故?そんなことはわかりきっていた陽太もまだ、気持ちの整理がつかないのだ突然死に別れることになってしまった幼馴染のことを、まだ完全に納得できていないのだ「明利はどうしてた?」「・・・昼よりはましよ・・・でもやっぱりまだ辛いみたいね・・・」そうだろうなと呟いて陽太はまた自分の頬を触るその指には何もついていない、一向に流れない涙を前に、陽太は大きくため息をついていた「明利は泣いてたな・・・」「仕方ないわよ・・・だって・・・」静希が死んだからその言葉を言いたくなくて鏡花はそれ以上何も言えなかった陽太の少し後ろに立って一点を見つめ続ける陽太の背をつらそうに眺めている「・・・俺さ、幼馴染の中じゃ二番目にあいつとの付き合いが長かったんだ」あいつ、それが静希の事を指すことは鏡花もすぐに理解できた確か雪奈が一番付き合いが長く、次に陽太、そして明利の順に出会っていったということだった「最初あった時、あいつと喧嘩してさ、喧嘩してたら姉貴と雪さんに怒られて、二人で仕返しして・・・それから一緒に遊ぶようになってさ・・・」静希の思い出をぽつぽつと語りだす陽太の声は抑揚がなく、ただ声に出しているだけの音声再生機のような冷たさを感じた「俺の能力見ても、変身ヒーローみたいでかっこいいとか言ってきてさ・・・むしろ怪人の方だってのに・・・全然怖がりもしないで・・・普通にいっしょにいて・・・楽しいと思えた」陽太の能力を見ても臆さない、子供の頃ならそんな反応をしても不思議はない特に陽太の能力は本当に変身しているように見えるのだ、静希の反応もあながち間違っていないだが両親から恐れられた陽太からすれば、非常にうれしかっただろう「楽しいとさ・・・こう体の奥からなんかが噴き出るみたいな感じがするんだよ・・・ムカついてる時は体の中でなんかがのたうち回ってるような感じがして・・・泣きたい時は・・・すっげー苦しくなるんだ」陽太の声は一向に変わらない乾いた声を垂れ流しながら、その手を自分の体に当てて強く服を握るが、それでも陽太は静希の腕のあった場所から視線を逸らさない「今さ・・・泣きたいはずなんだ・・・ムカついてるはずなんだ・・・なのに何も感じないんだよ・・・泣きたい時は頭の中ぐちゃぐちゃになんのに、ムカつくときは何考えてるのかもわからなくなるのに・・・今は何考えてるのか、どうしたいのか全部わかっちまう」それは、感情が完全に抑制されている証拠でもある実月の施した、安全装置感情の値が一定以上になると強制的にクールダウンさせる今陽太はそれが働いているせいか、冷静で、何をするべきか適切なことがわかるようになっているのかもしれない「明利はあんなに泣いてたのに・・・俺は泣けもしない・・・静希が死んだってのに・・・涙ひとつ出やしないんだ・・・」また自分の頬を触って涙が流れていないことを確認して、陽太はわずかに拳を強く握る頭では悲しいことがわかっているのに、心が動かないいや、心が抑えつけられているというべきだろう本人は泣きたいと思っているのに泣けない感情を発散したいのに、できない実月の施した安全装置は確かに陽太の能力の暴発を抑えているだがそれと同時に、陽太がしたいことさえも奪っているのだ「なぁ、明利はどんな顔してた?」「どんなって・・・ひどい顔だったわ・・・泣いたせいで目は真っ赤だったし・・・」そうかと呟いて、そこでようやく陽太は視線をわずかに上に向ける雲がわずかに流れている空にあるはずの月は見えない雲に隠れているのか、それとも今日は新月だったか月のことなど全く興味のない陽太からすればどうでもよいことだが、そこに何もないというのが少しだけ悔しかった静希の腕のあった場所に、何もなかったのと同じように「明利も、お前も・・・ちゃんと泣けてんのに・・・俺だけ、あいつのために泣いてやることもできない・・・」それは陽太のせいではない、あんたは悪くない、そう思っているのに、鏡花は何も言えなかった陽太たちが一緒にいた時間は短くない、それこそ人生の半分以上を過ごしているそれなのに、大事な人を亡くしたはずなのに、泣けないその悔しさは、鏡花にはわからない「なぁ鏡花・・・俺今・・・どんな顔してるんだ・・・?」表情も声も変えず、無表情のまま、陽太はそうつぶやいて、そのまま黙ってしまった

それから先何も言わない陽太を前に、鏡花はどうしたらいいのかわからなくなってしまっていた今陽太がおかしいのは間違いないそして、こんな場所にいて精神衛生的に良いはずがない「・・・戻りましょ・・・ここは冷えるわ・・・」手を握って戻るように手を引くと、陽太は何の抵抗もなく鏡花の後についていった何も話すこともなく、何かを見ようとすることもなく、鏡花と陽太は宿舎の方向へと戻っていく宿舎の前に戻ってきたところで、陽太は鏡花から手を離した「俺はここでいい」「は?ここって・・・駐車場よ?」幾つかの車が置かれている駐車場で、陽太が足を止めたことに鏡花は眉をひそめた軍用の物や、誰かの私物と思える軽自動車も置いてあるただの駐車場、なのにここでいいという陽太の言葉を鏡花は理解できなかったのだ「今の状態で寝ると、いつ暴発が起きるかわからないからな・・・火事起こしたくないから・・・今日はここで寝る」陽太はコンクリートの壁を背にして胡坐をかいて空を見上げる能力の暴発多くの能力者が能力を制御しきれていない時に起こす症状の一つでもあり、何よりそれは子供のころに多い特に夢などで感情が高まってしまうと寝ている間に無意識のうちに能力を発動してしまうことがあるのだ「笑いたければ笑っていいぞ・・・この歳になって寝小便もどきしそうなんだからよ・・・」「・・・笑えないわよ・・・」鏡花は拳を握って固いコンクリートの地面に座っている陽太を見つめる今までもこういう事があったのだろう、陽太の対応は非常になれている自分の知らなかった陽太の苦労を前にして、鏡花はわずかに悔しくなった「じゃあ、あんたの部屋、使わせてもらうわよ」「あぁ、好きにしろ」普段の陽太なら、何故?どうして?と聞き返すところなのだろうが、鏡花の悲痛な表情を見ていろいろ察したのだろう、それ以上何も言うようなことはなかった陽太はそのまま眠るようで、ゆっくりと瞼を閉じたそれを見届けて鏡花は踵を返し、宿舎の前で足を止め先程まで陽太が見上げていた空を見る「静希・・・あんたがいないと・・・この班バラバラになっちゃうわよ・・・」悔しそうに、そして悲しそうにつぶやいて、そこにいない班の中心人物だった、あの厄介の種であった静希に呟くだがそのつぶやきに返してくれる誰かは、ここにいない明利も、陽太も鏡花は歯噛みしながら宿舎の中に入っていく今がこの班の分水嶺なのだと感じながら、陽太たちが使っていた部屋に入りどちらが使っていたかもわからないベッドに体を預ける自分が思っている以上に疲労が溜まっていたのか、鏡花の意識はすぐに曖昧になっていき、やがてその意識は完全に落ちていく今日のことを思い出そうとして、また一筋涙が流れるが、それすらも忘れるような眠気に鏡花は意識を喪失した鏡花がベッドに倒れこみ、眠りだした頃、明利は自分の腕の中にある静希の腕と、彼から受け取った一本のナイフを見つめていた静希が残した最後の痕跡ともいうべき二つの物品いや、一つは物品というにはいささか趣味が悪いその二つを眺めた後、明利はわずかに瞳を細め、何かを想うように目を閉じる何を思い出しているのか、何を考えているのかそれは明利以外にはわからないだがゆっくりと開けた目には、決意以上の何かが秘められていたナイフをテーブルに置き、腕を布で巻いて一時的に保護してから明利は窓の外の空を眺める明日、実習最後の日明利の決めたことを行うには最後のチャンスとなるだからこそ今は寝るべきだ悲しい、悔しい、何より怒りと憎しみが明利の体の中で渦巻いていたこんなに強い感情を抱いたのは初めてかもしれないと思えるほどに、明利は頭も心もぐちゃぐちゃになっていただからこそ、今は寝るべきだこのような感情を引きずったまま行動できるほど、今回の状況は甘くない明利は静希が残した睡眠薬の一部を飲み水に混ぜて飲み込むもとより疲労が強かったからか、睡眠薬を飲んだという事実から脳が勘違いを起こしたのか、飲んでから数分で強い眠気が明利を襲ったまどろむ中で明利は静希の思い出を振り返っていた明利の記憶の中にいる静希はよく笑っていた困ったように、嬉しそうに、時に怒りながら、そして楽しそうにそんな笑みを思い浮かべながら明利は眠りについた寝息をつき始めてから流れた涙を拭う者は誰もおらず、枕にしみこむことになる鏡花が目を覚ましたのは彼らが起床すると設定した時間より三十分も前のことだったまだ辺りは少し暗いだがほんの少しだが東の空が白んできているのがわかる夜明けが近い証拠だ鏡花は水道で顔をあらい、自分の体のコンディションを確認していたしっかりと眠ったからか、それほど体の重さはない相変わらず頭や心がぐちゃぐちゃにかき回されているような不快感はあるが、少し集中すればそれもなくなるだろうまずは食事だこんな時間では誰も起きていないかもしれないが、一応周囲に誰もいないことを確認してから食堂へ向かう陽太たちはもうすぐ起きてくるだろう、一応後で確認に行くとして、この状況でも食べることのできるものがあるかだけ確認する必要がある食堂へ入る扉には鍵がかかっているが、鏡花の能力の前に物理的な施錠は意味がない能力を少し発動してすぐに鍵を開けてしまう誰もいない食堂に入って調理場へと入り、何か食べるものがあるだろうかと物色するそこには食材がいくつも存在しており、調理道具も大量にあったこれならそんなに大したものではなくても自分たちで作れそうだとりあえずまず先に陽太たちを起こすことを優先することにする食堂にまた誰も入らないように鍵をしてから陽太の寝ていた駐車場へと向かうと、そこには昨日別れたままの体勢の陽太がいるただ一つ違うのは、陽太の周りの地面にわずかに焦げたような跡があることだ恐らく寝ている間に能力の暴発があったのだろう陽太の懸念はとりあえず当たっていたようだったそれはできるのなら外れてほしかった懸念でもあるが「陽太、起きなさい」鏡花がわずかに体を揺らすと陽太はゆっくりと目を開けてしきりに首を動かしてあたりの様子を確認する「あぁ・・・時間か・・・悪いな」陽太の寝起きの姿というのは何度も見たことがあるが、こんなうつろな表情はしていなかったように思えるやはりまだ感情の抑制は続いているようだったそれが良いことなのか、悪いことなのか、鏡花には判断できない「一応まだ誰も起きてないみたい、交代の時間の隙を上手いことつけたみたいね」もともとここに駐留していた後藤の部隊と軍の増援とでこの森の完全封鎖を行うべく、深夜もずっと見張りが行われていることは鏡花たちは知っていただからこそ少し警戒していたというのもあるのだが、それも杞憂に終わったようだった「明利を起こして、ご飯食べて身支度したら出発しましょ」「そうだな・・・入るときは頼むぞ」周囲を完全に見張っているということは無論入るときも必ず警戒網に引っかかるということだそうなると単純に突破するだけではすぐに取り押さえられてしまうだろうだが鏡花がいればまた話は違ってくるモグラがこの森に入ってこれたように、鏡花たちも地中を変換しながら移動すれば問題ないのだ明利がいれば位置情報に狂いはないそう考えると、陽太ははじめから鏡花が協力することを確信していたのだろうかとさえ思えてくるやはり腐っても実月の弟ということだろうか鏡花たちがエントランスに戻ってくると、ちょうど起きたところなのだろうか、身支度を整え終えた明利と出くわす「おはよう明利・・・調子はどう?」「大丈夫だよ、体の疲れもそんなにないし、いつでも行ける」明利は朗らかに笑って見せるが、それもいつものような明るさはなく、どちらかというと無理に笑顔を作っているような印象を受けるだがあえてそれに触れることなく、そう、よかったと返して鏡花は二人を食堂へと連れていく「鏡花さん、ありがとう、少しすっきりしたよ」「・・・そう、無理はしないようにね」食堂の鍵を先ほどと同じように開け、二人を食堂に入れてから誰も入ってこれないように鍵を閉める仮に鍵を持っている人間がやってきても、鍵を開ける音で気づくことができるだろうそうなったら隠れて逃げると同時に行動開始すればいい「とりあえず朝ごはんにしましょう、一日行動すること考えると、しっかりと、でも朝だからあっさりしたものがいいわね」「任せて、今作っちゃうから、その間に必要な準備とかあったら・・・」そう言いかけて明利はそれ以上何もいう事はなく、調理室に向かっていった必要な準備この班の今のこのメンバーで準備を必要とするのはもはや明利しかいない静希がいれば、じゃあちょっと装備点検しとくかなどと言うかもしれない頭では分かっているのに、習慣として抜けない会話の中にある棘にも似た厄介な日常鏡花も陽太も、近くから椅子を持ってきて調理室に腰を下ろし明利の作る食事の完成を待っていた誤字報告が五件溜まったので複数まとめて投稿最近すごい勢いでpvが伸びていてびっくりしました、一体何が起こったのやらこれからもお楽しみいただければ幸いです

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明利の作った朝食を平らげ、調理室に保存してあった軍用の携帯食料を各自いくつか拝借し、軽く身支度を整えた後、三人は宿舎を出発していたまずは明利の索敵の確認森の中の状況がどれほどのものか奇形種の存在や、犯人の所在、今わかってしまえばそれこそ在り難いことこの上ないが、そう簡単にはいかないようで明利は小さく首を振る「目標は見つからないけど、奇形種の姿もあまり確認できないよ、巣穴の中にこもっているのをいくつか確認できるけど・・・出てくる様子はなさそう」「なら、さっさと行動開始しましょうか、明利、ナビよろしくね」宿舎から少し離れた雑木林の中で鏡花は能力を使って地下へと続く穴を作っていく突然崩れだしたりしないようにそれなりの強度を持って作られた穴を素早く、なおかつ確実に作っていく穴を作って同時に穴をふさぐ、常に空間のできている体積を小さくすることで異常を悟られないようにしているのだその代り空気も限られているために定期的にここにある空気を酸素などに変換する作業も同時並行で行わなければならない十数分ほどかけて穴の中を移動した時点で、明利はもう上昇しても構わないという合図を送るたった二百メートルほど移動するだけでずいぶん時間をかけてしまったが、これで気づかれるということはないだろうその移動中、陽太だけが気付いていた、鏡花の能力の精度が著しく低下しているのだ形状変換と定期的な酸素への構造変換が必要だとしても、たった二百メートルを移動するだけでこれだけの時間がかかるのは、普段の鏡花ならばありえない気丈に振る舞っているが、彼女の精神的動揺は大きいのだ普段彼女の能力を間近で見ている陽太だからこそ気づけたことだ、もしかしたら鏡花でさえ、自身の異常に気付けていないのかもしれない余計なことを考えないように、集中し続けてもどうしても脳裏にあの光景が及ぶのだろうか当然と言えば当然だ、いくら天才などと言われようと鏡花はただの少女なのだ人の死体など見たことがなかったし、それが友人のものだったであろう腕であれば動揺するのは当然なのだ一人欠けただけで、こうまでも班員が崩れるとは誰も思っていなかった、それだけ静希の存在は大きかったのだ樹海の中に入ると、やはり表よりだいぶ暗い印象を受けるだがさすがに夜明け近いということもあって少し明るい持ってきたライトを使わなくてもそれなりに行動はできそうだった「それじゃあ移動開始しましょう、明利、索敵のできていないところを重点的に移動して索敵範囲をどんどん広げていくわよ、そうすればいつかは見つかる」「わかった、じゃあ移動するね」そういって明利は最前線に出て移動を開始しようとするさすがに戦闘能力のない明利を先頭にするのはまずいと思って止めようとするが、その前に鏡花の肩を陽太がつかんだ「鏡花、俺と明利の動きに注意しといてくれ」鏡花にしか聞こえないような小さな声を耳元でつぶやく鏡花は一瞬意味が分からなかった「なんで?あんたはともかく・・・なんで明利も?」「俺は能力の暴走的な意味で・・・明利は・・・あいつが目標を殺さないようにだ」その言葉に、鏡花は目を見開いた明利が目標を殺す?考えられない、少なくとも鏡花の記憶の中にある明利はそんなことはしない「明利が人を殺すはずないじゃない、だって明利は」「普段の明利なら絶対しないだろうな・・・でも今の明利はいつもの明利じゃない」陽太の言葉にそれ以上何も言えなくなってしまった確かに、陽太と同じく、明利も今異常な状態にある、何をしてもおかしくないという意味では陽太以上に危ない「途中までは普通に俺の対処をしといてくれ、だけどもし相手を追い詰めたら、そん時は明利の行動に注意してくれ」「・・・明利が誰も殺さないように?」鏡花の言葉に、陽太はうなずく静希もそれを望んでいるだろという言葉とともに、陽太は明利よりも先を歩いていく明利は欠片も動揺せずに陽太に道を指示し続けている何時もと同じように、努めてそうしているということが理解できたそして鏡花は、陽太の言葉をほぼ正しい意味で理解していたもし、犯人と遭遇したら、恐らく陽太は能力を暴発させるそれは、今まで鏡花が見たことのない姿がそこにあるだろうそれがどんなものなのか、静希に何度か聞いたくらいで実際に想像するのは難しい何せ陽太は今まで能力を理性的に操ることができていたその証拠が陽太の槍だ長い訓練の結果、自らの能力の特性を把握し、少しずつそれをものにしてきているだからこそ、暴走すると言ってもただ人の話を聞かない程度だと、そう思っていただが、以前静希から聞いた話はそんなものとはかけ離れていた

以前静希に聞いたことがある暴走中の陽太の姿は、もはや人と形容することすら間違っているのではないかと思えるほどだったからである静希曰く、あれは獣である言葉を忘れ、ただ感情と暴力に溺れた猛獣の類鏡花が知る限り、陽太がそんな場面に陥ったところは見たことがない万が一、そんな姿を目撃するとして、自分の力で止めることができるのか以前戦った陽太の行動は本当にわかりやすい愚直な突進だけだっただが獣の動きとなるとまた別だ、人と獣は基本考え方が異なるもし静希のいう通り、陽太が完全に獣のようになってしまうとしたら鏡花は軽く自らを叱咤して集中を高める自分がやるしかないのだ陽太も、そして明利もどこかおかしい中、自分がやるしかないのだ自らの精神的な不調にも気づかず、鏡花は何とかしようと集中を高める薄暗い森を進む中、最初にその異変に気付いたのは索敵を続ける明利だった時間は経過し、そろそろ動物たちが動き出しても不思議ではない時間だ、なのに森の動物たちは一向に動き出そうとしないのだそれどころか巣穴などにこもったまま動こうともしない「この状況・・・最初の時と似てる」「最初って・・・メフィと会ったとき?生き物がいないの?」「うん・・・巣穴にはいるんだけど、出てこないの」軽く状況を説明してから陽太も鏡花もあたりの様子を確認してみるのだが、風の音や自分たちの足音は聞こえるのにほかの音が一切ない多少虫の声や動物たちの出す音が聞こえてもいいものなのに、それすらもないのだ「ねぇ・・・可能性の話なんだけどね、もしかしたらメフィたちが外に出てるってことはないかしら」「あ?どういう事だ?」メフィたちが外に出ている外というのはつまり静希のトランプから出ているということだ一日経っても先日の獣除けが効いているとは考えにくい、なら今まさにメフィがどこかに存在していると考えたほうがまだ考えられる「もし・・・静希が死んだとき、トランプの中にあるものすべてが排出されるとしたら・・・この辺り、または近くにメフィがいても何の不思議もないんじゃない?」静希が死んだ場合のトランプの効果の継続の有無それこそ死んでもトランプの中に物品を収納し続けているのか、それとも死んだ瞬間に静希のトランプの中にあったものがすべて排出されるのかどちらにしろメフィたちは静希の能力では拘束しきれない、自由に出てこられるということを考えれば、死んだ人間にいつまでも付き従う意味はない神である邪薙や従者であり剣であるオルビアはわからないが、悪魔で気まぐれなメフィはどんな行動をするか見当もつかない「なるほどな・・・確かに死んだ場合能力がどうなるのかってのは考えたことなかったな・・・でもあいつが死んだ人間のためになんかすると思えないんだけどな」未だ腕しか見つかっていないとはいえ、生存の可能性が絶望的である以上、死んだと判断するこれは正しい判断だ生きていると仮定してくるはずのない援軍を待つより、最初からないものとした方がいいのも分かるだが、明利も鏡花も未だそこまで冷徹にはなれなかった陽太だって本来そんなことが簡単にできる人間じゃないおかしいのはわかっている明利も、陽太も、鏡花も、そしてこの森も、今何かおかしくなっているなのにそれ以上どうすることもできない途方もなく歯がゆい、そんな時間を一体どれほどつづけただろうか、すでに日は登り完全に動物たちの行動時間になっても、依然として動物たちは動こうとしない先日はまだ好戦的な奇形種が出ていたのに、今度は一匹たりとも出歩いていないこれは僥倖というべきだむしろこちらとしては行動しやすくなっているのだから索敵範囲を確実に広げていく中、その索敵範囲が森の約五割に達しようという時、明利はそれを見つけた「いた・・・見つけた・・・!」喜んでいるのか、それとも怒っているのかどちらとも思えない見たことのない表情と声を出して明利は唐突に進行方向を変える「明利!落ち着きなさい!」「前方八百メートル先!索敵に引っかかった!戦闘準備!」いくら明利が全力で走っても、陽太や鏡花の速度に敵うはずもなくすぐに追い抜かれるが、それでも全力疾走をやめないどこから取り出したのか、その手には昨日静希から渡されたナイフが握られている陽太の言っていたことが現実味を帯びてきた「陽太・・・できる限りフォローするけど、あんまり派手に暴れるのは・・・」陽太に近づいて話しかけようとしてようやく気付くことができる彼の周囲の温度が上がってきているのだ能力暴発の兆し恐らく今陽太の頭の中は、静希を殺す原因を作った相手のことでいっぱいなのだろういつ暴走してもおかしくない二人を見て、鏡花はわずかにため息をついたそれと同時刻、城島は鳴り響く携帯のアラームによって目を覚ましていた目覚めが悪い、そう思える朝は久しぶりだった自分が請け負った生徒で死者が出たのは初めてだった早く遺体を探してやらなければ、そんなことを考えているのだが、そこから先への頭が働かない遺族にどんな顔をすればいいのかそして自分が指導してきたあの三人になんと声をかければいいのかとりあえず様子を見に行こうと城島は女子の部屋へと向かう同僚が死んだことはあったが、それでも自分はあの時すでに大人と言えるだけの経験を持っていただが彼らは学生、なんといって励ませばいいのか何を言ってもダメな気がする特にひどいのは明利と陽太だった明利は完全に意気消沈し、その眼は生気が感じられなかったひとしきり泣いていた声は聞こえていたが、それだけでどうにかなるとは思えないそして次にひどいのは陽太だった今までの元気なバカという印象を払拭するかのようなあの態度、最初城島はあれがいったい誰なのかと思ってしまったほどだ陽太の姉が非常に優秀な人物であるというのは資料で確認はしていただがあの一面を見るまで信じられなかっただろうそれほどまでに陽太の変貌は城島にとって予想の範囲を軽く超えるものだったのだその二人に比べれば比較的鏡花は冷静さを保てていると思えるが、実際はどうだろうか面倒見の良い彼女のことだ、恐らくいつもより気丈に振る舞おうとして普段通りにできないこともあるはず思えば静希を含めた明利と陽太は幼馴染だったと聞くだからこそあの二人の変貌ぶりも納得できるもう少し、自分が何か言っていればこんなことにはならなかったのではないかあの場で、森に送り出すべきではなかった頭の中で後悔と自責の念がぐるぐると回る中、城島は明利と鏡花の使っている女子部屋へとたどり着く結局なんと声をかけるか、まったく思いつかなかった心のケアなどは完全に専門外だが何事もあってみなければ始まらない「清水、幹原、いるか?」ノックしても返事は返ってこない「清水、幹原、起きているか?」時間はまだ六時になったところだ、もしかしたら寝ているのかもしれないと思いながら静かにドアを開けるすでに日が昇っているために、照明をつけなくても部屋の中の状況を簡単に把握することができた城島は二人がベッドで寝ているところを想像していたのだが、その部屋の中には鏡花も明利もいなかったあるのはベッドの上に置かれた布にまかれたであろう静希の腕誰もいない部屋の状況を見て城島は舌打ちをして走り出す向かったのは静希と陽太が使っていた男子部屋だ頭の中が不安と焦燥でぐちゃぐちゃになっていくのがわかるそして最悪の想像が彼女の脳裏をよぎるどうにか外れてくれと願いながら、ノックもなしに男子部屋の扉を開けるとそこはやはりもぬけの殻あの三人が同時にいなくなったことで、城島の中でいやな予感が止まらない急いで班長の清水に電話をかけようとして携帯を見ると、何件かメールが届いていることに気づくそれは監査の先生からの報告だったそこには三人が樹海の森に侵入したという報告が入っていたいやな予感が完全に的中した監査の教員は主に生徒たちの動向を監視し、審査し、危険があれば助けに入るというのが仕事だ今はまだ危険な状況に陥ってはいないが、あの行動自体が危険であることは気づいているはずなのになぜ止めないのか強い苛立ちを覚えながら急いで鏡花に向けて電話を掛けるが電源でも切っているのか、まったく応答しない「くそっ!あの・・・バカどもが!」力に任せて壁に拳を叩き付けると、携帯の画面に城島の見知った名前が表示されるそこに記された名は城島もよく知る昔の友人だった事前にこちらに来ることは確かに伝えてあったが、何故このタイミングで電話などかけてくるのかまだこんな早朝だというのにいったい何の用だろうかと思いながら通話ボタンを押す「もしもし・・・早朝からなんのようだ・・・今こっちは忙し・・・」邪険にするわけではないが、すぐにでも自分も樹海に入って生徒たちを引きもどさなくてはならない考えることもやらなくてはいけないことも多すぎる中で旧友と親交を深めているような時間は一秒たりとも無いのだだが、携帯の向こうから聞こえてくる懐かしい友人の声が、城島の意識を一時的に喪失させ、同時に活性化させていく「わかった・・・感謝する」そういって通話を切り、城島はすぐさま後藤の元へと向かったお気に入り登録件数が1500を超えたのでお祝い投稿ここまで来れるともう登録件数2000も夢じゃない気がしてきました、まだまだ先は長そうですがこれからも拙い文ではありますが、お楽しみいただければ幸いです

目標へと全力疾走する明利達が、それを見つけたのは、走り出してから数分後だった少し遠巻きからその姿を確認してそれが軍の部隊の人間ではないことを確認することができる黒い髪に黒い服、身長は百八十ほどだろうか、歳の程はおおよそ三十過ぎこの年齢でこのような行動をしていることから判断するに、能力者の犯罪者であることはほぼ確定的だ目標との距離はおおよそ二十メートル相手もあたりを探索しているが、どうやら彼に索敵の能力はないようでこちらには気づいていない様子だった「さて・・・どうやって捕獲しましょうか・・・いつも通り陽太が突っ込んで私がフォローして・・・って二人とも聞いて・・・」返事を全くしない二人を見ると、明らかに様子がおかしい木の隙間からとらえることのできるギリギリの距離で、二人の視線はあの男から離れない「陽太君・・・あの人?」「・・・あぁ・・・そうだ・・・あの面・・・忘れるもんかよ」二人は視線を逸らさないその顔やその体格を脳に刻み付けるように凝視して歯を食いしばる「あいつが・・・静希を・・・!」陽太の様子が徐々に変わっていく瞳孔が開き、体の節々から漏れ出るように炎が顕現し始めている「明利、離れて!」急に周囲の温度が上がったのと同時に鏡花は明利を陽太から引き離す次の瞬間、陽太の体が炎に包まれたまるで幽閉されていた獣がようやく自由になったような、そんなそぶりを見せながら陽太の炎は湧き上がる炎がやがて形を作っていき、いつものような、いや、いつもより禍々しい鬼の形へと変貌していくその瞳は相変わらず目標を見続けている、口の中からわずかに炎を漏らしながら、その炎は際限なく体から溢れ続けているのがわかるあれが敵だ、討ち滅ぼすべき、自分の敵だそれを陽太は自覚したのか、大きく息を吸い込んで、咆哮したその場から離れ始めていた鏡花は、最初それが陽太の声だとわからなかった一瞬別のところから奇形種でもやってきたのではないかと思えるほどに、それは人の声とはかけ離れた声だったその咆哮が聞こえたのだろう、目標も周囲を警戒し、木の奥にいる陽太に気づいたようだった鏡花たちは陽太を囮にして目標の死角へと移動し続けていた自分たちにできるのは陽太のフォローだ、陽太が戦闘を始めたらその場にいては邪魔になるこうするしかできないのだ陽太が目標をにらむと、相手も同じように警戒を高めていく自分が相対しているのが人間かどうかなど関係ないあれは危険だ熟練の能力者である彼はそれを瞬時に把握していたもう一度咆哮をすると同時に陽太が高速で突進を始めたいや、始めたと思ったら、すでに目標の眼前にまで近づいていた樹の間を縫うように高速で接近しその拳を振りかぶり叩き付けようとするその速度に一瞬驚いたようだったが、横に飛んで軽く回避されてしまうその速さゆえに急停止できなかった陽太は転がりながら手足を使って強引に自らの体を止め、すぐさま飛びかかる瞬間、相手の能力が発動する陽太が直進し、通過するその場所に赤い球体が飛翔し、陽太がその球体に触れる少し前に爆音を奏でながら周囲に炎をまき散らす陽太の体を炎と衝撃がつつむ中、彼は少しため息をついて彼の生死を確認しようと遠巻きに目を凝らした自分の能力はかなり攻撃力が高い並の強化能力を持っているだけでは手足の一、二本は持っていく代物だそれを防御もなしに直撃したのだ、あれで殺せてはいなくとも気絶位はさせたと思っていただが次の瞬間、爆炎を引き裂いて再度陽太が突進してくる眼前に迫る拳に、今度はかなり全力で横へと跳躍した自分の服をその拳が掠める中、転がるようにして攻撃を回避すると、今度こそその姿をしっかりと確認することができた再度手足を使って強引に停止した陽太の姿はまさしく鬼、最初赤い毛を纏った獣か何かだと勘違いしたのだが、あれは炎であると即座に気づいた炎を纏って身体能力強化をかけているのだと理解した彼は、陽太が最も相性の悪い相手であると理解したらしい陽太にとって炎は致命傷にならず、かなり強い身体能力強化がかかっているらしい、衝撃もほぼ無効化されていると思っていいだろう自分に向けて明確な敵意を向けているあの化け物は、恐らくは人間の能力者何故自我が無くなっているのかは知らないが、それならそれでやりようはいくらでもある集中し、眼前の鬼に向けて両の手を使い能力を発現するそれに呼応するように陽太は咆哮してまた目標に向けて突進する

陽太と目標との戦闘を鏡花は少し遠いところから監視していた最初の目的は陽太が確実な隙を作ってからこちらが動いて目標を拘束する、そのつもりだっただが陽太の戦い方を見て、唖然としていたあれは本当に自分の知る陽太なのだろうか言葉にならない声を張り上げ、無造作に拳を振るい、隙も何もあったものではないような移動と停止を繰り返すあれではただの獣だ、理性も何もない、自分の怒りを無造作にぶつけているだけあれでは奇形種と何の変わりもない、あれでは能力者に対しては勝てない静希のいっていたことをようやく理解できたと歯噛みしながら鏡花は目標の様子をうかがう今、目標は陽太に集中しきっている陽太が放つ咆哮のおかげで自分たちの存在にはまだ気づいていないようだった不幸中の幸いと言えばその通りだが、正直に言えばマイナスの方が勝っている陽太が理性的に動いてくれているのであればまだやりようはあったが、あのようにむちゃくちゃに暴れられてはフォローも何もないむしろ下手に動けばこちらの存在まで露見し窮地に立たされるのはこちらだ「・・・あの能力・・・ただの爆破じゃないみたい・・・」自分と同じく戦闘の様子を見ていた明利がふとつぶやく鏡花もよく見てみると、その違いに気づくことができた炎と咆哮をまき散らしながら飛翔する球体を時に回避し、時に拳で薙ぎ払う陽太、彼の周りで起こる爆発に大小の違いがあるのだ具体的に言えば回避したものは大きく爆発するのに対し、爆発する前に陽太が打ち払った球体は本当に小規模の爆発しか起きていないあれでは炎を余計に陽太に与えるだけで致命打にはならない「本当だ・・・いったいどういう・・・」「たぶん・・・あの能力は定点爆発なんだと思うよ・・・設定した位置でしか本来の威力の爆発が起きないんだと思う」明利の言葉に鏡花はさらに球体を注視する特に陽太がよけたものは別に何かの障害物にあたっているわけでもないのに勝手に爆発している、衝撃や接触で爆発するわけではないらしい定点爆発明利の言うように、確かにある程度の時間か、あるいは位置でしか最大威力の爆発が起きないのだろう陽太の高速での移動と攻撃にまだ目標は慣れていないのか、それともどんどん炎を強め身体能力が強化がされていく陽太の動きに予測がついていかないのか、何発も爆破を起こしても八割以上が無力化されているそんな中、陽太の体を見て鏡花はあることに気づく陽太の炎の色が少しずつ変化しているのだ灼熱のような赤から、太陽のような鮮やかなオレンジへ、そして少しずつその色素が落ちていくかのように白へと変わっていく炎はその温度によって色を変えていく可燃物によってもその色は変わるが、別に陽太の炎は燃える対象が決まっているわけではなく、陽太自身が炎を出しているためにその線は考えられないつまり陽太の炎の温度が上がっているのだ以前静希が言っていた、陽太の能力が全開になった時、その炎は青くなるのだと藍炎鬼炎、その名に偽りのない、青い炎を纏った鬼になるのだと今の陽太が纏っているのは白炎炎の色が変わりだしてから、その動きはどんどん速く、そしてどんどん人間離れしていく炎の総量と温度に依存する肉体強化普段陽太が振るう拳は、自分たちが学校の訓練の時に倣う対人格闘をもととしたれっきとした格闘術から行われるものだ陽太は自力でも大人だろうと打ち倒せる実力があり、能力を使えばその力はさらに強くなるだが今の陽太の拳は、その動きは全くない正しい拳の振るいかたではなく、効率よく力を伝達させることもなく、ただ殴っているだけいや殴っているという言葉さえ正確ではないあれはただ握り拳をぶつけているだけだただ拳を地面に叩き付けただけでまるで爆撃でもしたかのような轟音があたりに響いているあの姿でさえ、全力ではないのか鏡花は恐ろしくなったもし陽太が青い炎を顕現したらそしてもし、その状態を理性ある状態で維持できたら恐らく陽太は身体能力強化の中で間違いなく最強の部類に入ることができるだろう怒りを込めた咆哮があたりの木の葉を騒めかせる中、鏡花はその様子を注視していたあれほどの肉体強化をもってしても、目標は依然として攻撃をかわし続けている当然だ、理性のない状態ではいかに強い力を持っていても獣と同じ、いなすのは簡単だ学生であればその力の強さに多少怯みができるかもしれないが、彼は間違いなく熟練の能力者それなりに死線も越えているだろうし、何より周りへの警戒を怠っていない陽太がいつまでも突破口を見つけられない反面、相手は陽太への攻略法をほぼ見極めたのか、周囲へ注意を向けることもでき始めているこのままでは陽太が手玉に取られるだけだ、何か手を打たなくてはいい加減陽太の相手も飽きたのか、一瞬距離をとって陽太の上半身に向けて一発、足元に向けて一発赤い球体が射出される上半身に飛んできた一発は何の問題もなく陽太の腕が打ち払うが、足元の一発は反応しきれずに爆発し、陽太の体が空中高くに持ち上げられるそれと同時に数発の球体が陽太の体めがけ飛翔し、空中でさく裂し強引に陽太の体を遠くへと押しのけていくあらすじを変えたほうがいいのではというアドバイスを頂いたので変えてみましたけど敢えて言うとすれば、自分はあらすじを書くのが下手です、というか苦手です人の興味を引くあらすじとかどうやって書けばいいのさ・・・これからもお楽しみいただければ幸いです

陽太の体が落下したのは数十メートルほど離れた場所だった先程まで十メートルにも満たない空間で戦闘していたのに一気に距離を離されたいや、完全に動きを把握され、なおかつ攻略法も見つけられてしまったのだ以前雨の日の演習で城島がやっていたのと同じことだ陽太は能力の性質上相手に近づかなければその力を十分発揮できないそしてどうあがいても空中では体勢を整える程度の動きしかできないそれ故に、空中高く舞い上がらせてしまえば何の問題もなく距離を作られてしまうもう陽太だけでは相手の注意を引いておけない「鏡花さん・・・お願いがあるの」今まで静観を決め込んでいたはずの明利の声で鏡花は一瞬で我に返る「何か手があるの?」鏡花の言葉に、明利は静かにうなずく「あの人さっきから陽太君を遠ざけてばかりで少しずつしか移動してない・・・あれなら仕掛けられると思う」「・・・詳しく教えなさい」鏡花たちが作戦を練っている中、陽太は無我夢中で目標への距離を詰めようとしていただが、愚直とも思える陽太の突進を熟練の能力者が止められないはずがない何発かの球体をわざとよけさせることで陽太の動きを制限し、その上で本命の一発を陽太の足元に叩き付け、また先ほどと同じように空中で爆破を繰り返して距離を取らせる同じことの繰り返しのように行われる状況の中で、一つの変化が現れた目標の周囲から突如石が飛んできたのだそれは大した速さではないせいぜい人間が投げた程度の小さな石の塊だ最初の一つだけまったく反応ができずに頭に当たり痛い思いをしたが、それ以降飛んでくる石は全く当たりもしない腕を使って払いのけたり、体をよじって回避したりしているあらゆる方面、三百六十度すべての方角から飛んでくる石これは鏡花の作ったトラップの動作だった周囲の地面を変換し、石を次々と投げているのだ最初の二対二の時にやった、投石のトラップ、それを目標の周囲全てに配置したのだそれを見て、陽太の目がわずかに変わる目の前で起こっている敵への行動を見て、陽太の体を本能とは別のところが動かしていく自分の腰にあるそれを握り、大きく振りかぶったそれは陽太が静希から渡されたナイフだったすでに熱によって赤く変色し始めているが、陽太の身に着けているものは燃えない時もあるという能力の特性のおかげか、未だ硬度を保っていた周囲の投石を忌々しく打ち払い、僅かに陽太への意識が逸れたところに、陽太がナイフを投擲するそれは人間が投げることのできる速度をはるかに、そして容易に超えたそれが投げられたと気づいたときに、目標は石への対応をやめ瞬時に回避行動に移っていた体勢を崩しながらも胴体に向けて襲い掛かる赤色のナイフをギリギリのところで回避すると、僅かに掠ったのか、その服に切れ目が走り、部分的に炎がつくナイフは誰にも当たらず、そこに立っていた木に深々と突き刺さり炎をともして見せた倒れこむようにナイフを回避した目標に向けて、石は投げられ続け、その中に一つ、目標の完全な死角から白い布のようなものがその体に向けて飛んでくる回避行動を終えて完全に体勢を崩していたその体に白い何かは直撃し、その体に白い粉のようなものが付着していく「第一段階、完了」それは明利の投げたキノコの胞子だった以前、江本に対し有効だった付着させるタイプの種子を用いて、これでいつでも目標の位置を把握することができる胞子は服だけではなく、髪や皮膚にも付着しているあれをとるには陽太のように炎を体に纏わなくては不可能だそして自分の体に何かがつけられたことで目標はこの一連の動作が計算されたことだと悟り、完全に周囲への警戒行動に移っていたこの作戦を考えた明利も、ここまでうまくいくとは思っていなかったいや、これは嬉しい誤算なのだが、あそこでまさか陽太がナイフを投擲してくれるとは思わなかったのである陽太に注意を向け、石を完全に無視すればキノコの胞子を当てやすくなる、それはそれでいい逆に石に注意を向けすぎて、陽太への対応が遅れるのであればそれもよしどちらに転んでも問題はなくことは済む「上手くいったわね、でも周り全部爆破されるとは思わなかったの?」自分のところに戻ってきた明利に向けて鏡花が安心しながらそうつぶやく確かにこれは周囲のどこに自分たちがいるかわからなくするために全方向から投げたというのもある、だが相手が躍起になってあたり全てを焼き尽くそうと爆発を起こしたら鏡花は対応できても明利は対応できないのだ「大丈夫だよ、今あの人は周囲の木々を焼き払うことはできない」「え?なんで?」現に目標は陽太と交戦状態に入って一度もあたりに向けてむやみやたらに爆炎を放つことはやめているどちらかというと狙いを絞っているのだろうが、何故そんなことをするのかこちらとしてはありがたいが、何故そんなことをするのか鏡花の問いに対し、明利は何も言わずに、再び目標に向けて接近を図ろうと突進する陽太を見るそしてようやく鏡花もそれを理解した陽太は、簡単に言えば目標に対する天敵のような存在だ炎は効かず、衝撃もほぼ無効化されている彼の今見せている能力だけでは恐らく倒せないであろうことがうかがえるほどにそして問題は陽太の身体能力の高さだ今は度重なる爆発と陽太の突進によって、タイミングをとりやすくなっているのと、ルートがある程度絞ることができているだろうだが周囲に爆炎をまき散らせば、それだけ視界が狭くなり、一瞬とはいえ陽太の姿を見失うだろう陽太程の速さを持つ相手に、一瞬でも目をそらすということがどれほど危険か相手も分かっているのだだからこそ、どこかに第三者がいることがわかっても、周りに対して一斉に攻撃する事ができない明利が全方位から投石させたのはそういう考えを含めたうえなのだもし一方向から投石しただけならばすぐさま位置を特定されてその方向に向けて爆発を起こせばいいだけだが全方位なら、どこにいるかは察知できない索敵能力がないと思われる相手だからこそできる手だそこまで考えていたのかと、鏡花は近くに来た明利をわずかに見て驚く自分の知っている明利はここまで深くものを考え、それに対して戦略を練ることのできる人物だっただろうかあの手、まるで静希が考えたかのような精密さと大胆さを同時に持ち合わせるあの発想一瞬、明利のすぐ後ろに静希がいるかのような錯覚に陥るが、そんなことはありえないと瞼をこすって引き続き投石を続けるこれで、自爆でもしない限りいつでも相手の行動を把握できるのだ完全にアドバンテージは握った後は相手をどのように拘束するかである現状、陽太だけでは手が足りない、あともう一手、なにかあればすぐにでも相手を拘束できる今の行動で相手にこちらの能力の一部がばれただろういや、察しが良ければこちらの能力がすべてばれた可能性もある周囲一帯から石を投石することのできる能力はかなり限られる念動力の発現系統、あるいは変換系統こちらの能力がばれるのは確かに痛手だが、それに対しこちらが得たのは相手の行動のほぼ全把握リスクは負ったが、それ以上のリターンを得ることができたと言っていい相手の今の目的が、先日と変わらずの時間稼ぎだとしたら、こちらとしてもありがたいというものだ、こっちも時間をかけてでもいいから相手を捕らえたいと思っているのだ奇しくも、相手とこちらのやりたいことの利害の一部が一致している「どうする明利?このままじゃジリ貧よ?」「・・・もう一回さっきと同じような手をやってみよう」「・・・同じじゃ通用しないんじゃない?」先程と同じというのは投石に混じって本命を投げる行動のことだだがあれではすぐに位置を把握されてしまう先程は陽太の思わぬ援護があったからこそこちらの位置も把握されずに胞子を投げ込むことができたが、今回同じことは起きない、陽太が投げたのは静希から渡されたナイフ、一本だけのナイフを使ってしまったのだ、二度は起きない「似たことをするだけで、同じじゃないよ、こっちもまだできることはあるもん」明利は自分が持っていたナイフと、鏡花の腰についているナイフを抜いて視線の先にいる目標をにらむいったい何をしようというのか、鏡花はわずかに恐怖と不安を覚えながら明利の言葉を耳に入れていただがそれを察知したのか、それともこのままの状態では自分も危険であると判断したのか、突進してくる陽太を再び爆発で空中高くへと押し上げ、それと同時に逆方向へと逃走しだしてしまう今までよりも高く打ち上げることで上昇と落下の時間を逃走のために費やしたことで少しでも陽太から離れようとしたのだろう「まずいわね、このままじゃ陽太があいつを見失うわ」自分たちは明利の能力のおかげで目標を見失うことはないとしても、自我をほぼ失っている陽太が明利達の道案内の通りに動いてくれるとは思えない彼が稼ぐことのできる距離はせいぜい数十メートルから百メートルに満たない距離だが、この森の中でそれだけの距離があれば見失うことだってあり得るいくら身体能力強化がかかっていても物理的に見ることのできないものを見えるようになるわけではないのだ「鏡花さん、相手の容姿は覚えてる?」「え?い、一応大体は」「その形を造形して陽太君を誘導しよう!時間はかかるかもしれないけど、陽太君ならすぐ追いつける!」陽太は今あの目標だけを追っている恨みと怒りからそれ以外の対象がまったく目に入っていないだからこそ外見だけ真似ることができれば、それに対して誘導することも可能だろうと判断したのだ「やってみるけど・・・ナビはお願いね!」「任せて!」明利と鏡花は同時に走り出して目標を追跡することにした逃がさない明利の目に映る感情がいったい何なのか、鏡花は未だ判断できずにいた日曜日なので複数まとめて投稿あらすじに四苦八苦している今日この頃、どうすればいいのか本気で悩んでいます・・・そしてそろそろpv数がまた大台に届きそうですこれからもお楽しみいただければ幸いです

結果的に、明利の策はうまくいったおおよその外見的特徴を再現した土人形に陽太はあっさりと反応して一撃のもとに粉砕していく人形の間隔はあまり遠くするわけにもいかないから移動しながら陽太を誘導していくと、明利の索敵の中、目標の移動ルートと思われる場所に誘き出すのにちょうどいい地形があることに気づいた明利の索敵がぎりぎり届いている場所で、一部平坦でありながら周囲がわずかに盛り上がっているこの地形ならば周囲からの投擲などは高所からの攻撃となり、特定は困難を極める「明利!この先にちょうど平坦になってる部分があるわ!そこに陽太を誘導するように土人形を作るから、陽太のお守りお願いね!先に行って仕掛けしてるから!」「うん!お願い!」自分たちを撒くためか、相手が直線的でなく僅かに曲線を描いて移動しているのが、こちらにとってはありがたかった平坦部へと続くように土の人形を作成しながら明利と別れ、目標地点へまっすぐに向かっていく明利の索敵の結果通りならあと数分もかからずに目標はここを通過、そしてほぼ同時位に陽太がここにやってくるだろうそれまでに自分にできることはやっておく必要がある相手にばれないようにトラップを仕掛け、いつでも総攻撃できるようにしておく必要がある明利の言っていた作戦は、先程とほぼ同じ石の中にナイフを混ぜて攻撃するというものだだが、ナイフは一本ではなく二本一本目は鏡花のトラップで射出し、二本目は明利が投擲する明利だって雪奈から指導を受けていたのだ、最低限の投擲はできるだろうが、何かおかしい気がするのだ明利が鏡花の能力をすべて把握していないはずがないその気になれば大量のナイフを作って一気に投擲だってできるなのに何故そうしないのか考えがまとまらないうちに目標と陽太がもつれ合うように接触し、平坦部に見事に誘い出すことに成功するここまでは十分だ実戦経験の少ない自分たちにとってはこれだけで十分成功と言える相手からすれば自分がおびき寄せられたことにも気づいているだろう、むしろ望んでここにやってきたようにも見える恐らく目標は陽太が追ってくることを前提にここにやってきた何か策があるのだろう、相手にも再び先ほどのような展開が繰り返される陽太が突進して目標が爆発をぶつけ、空中高くへと舞い上げて距離を作るだがその動きを繰り返したのも数度だけ何を思ったのか、陽太を空中に舞い上げた後に、周囲にある高低差のある部分に爆発を起こしてその部分に大きなクレーターを作る高低差があるせいか、その場所は小さな横穴のようになり、燃えた地面が音を立て、今にも崩れそうになっているその瞬間、鏡花は相手が何をしようとしているのかを理解したあのままでは陽太はやられる、そう判断し、即座にクレーター部分の近くへと移動を開始した空中に叩き上げられた陽太に向けて数発、球体が射出され、陽太の体は空中で何度も爆発によってお手玉のように位置を調整しながら舞い上がっているほとんど効いていないようだが、この先が問題だ陽太をある程度の高さまで上げ、重力に任せて自由落下させていくある程度の低さになった瞬間に再度爆発を起こし、器用に陽太を先ほど作った横穴へと叩き込んだそして陽太が反応するよりも早くその横穴のすぐそばを爆破し、横穴ごと陽太を生き埋めにしようとする陽太の力の原動力は炎だ一時的にとはいえ土に埋まってしまえば、急速に酸素を消費して炎を保っていられない運が良ければ生きていることもあるだろうが、まず酸欠と土の重さで常人ならば生きていられない彼は状況をほぼ正しく理解していた火炎をもとに身体能力を強化する陽太と、どこかにいるであろう変換、あるいは発現系統の能力者問題があるとすればどこかにいる方の能力者だが、先程わざわざ石を投擲してきていることからそれほどの能力はないものと判断したのだせいぜい攪乱か、少し注意をそらすことしかできない程度の能力者だと、そう判断したのだそれが一番の間違いだった横穴のほぼ後方に位置した鏡花は、陽太が叩き付けられた瞬間に能力を発動した相手が放った爆炎が土を崩すと同時に、鏡花の変換によって横穴の奥から巨大な手が陽太を殴り飛ばす上手いこと土煙や爆炎で隠れたその手は陽太を押し出すとすぐさまほかの土に溶けるように消えていくそれを把握したかのように、陽太は横穴から外へと飛び出し、再び目標へ向けて突進をかけた自我がなくとも、体が覚えている、鏡花の作る拳の感覚を一番驚いたのは目標だっただろう相手を叩き込むのも、土を崩して生き埋めにしようとするのも、タイミングも申し分なかった体勢を崩したあの状態で動けるはずのない状況で、陽太は突然爆炎を引き裂きながら突進してきたのだ体を強引にひねって何度も陽太へと爆発を起こし無理やりに距離をとる今まで自分の中にあった情報だけで倒せないならもう少し相手の能力を探る必要があるかもしれない、そう考えたのだ相手が能力を隠しているから今のを回避できた、そう考えたためにもう少しだけ陽太の様子を観察するべく、再び距離をとりながらその様子を観察することにしたのだその行動を繰り返し始めたことで、ようやく明利がその場に追いついた少し息を切らしながら手にナイフを持つその姿は、あまり良い状態とは言えないだろう「準備は?」「終わってるわ、ちょっと陽太がやばかったけど、うまくフォローできたみたいね」先程の相手の策が決まっていたら、完全に陽太は埋まってしまい、能力を封じられていただろうあの場で気づくことができなければ危なかった相手が爆発を起こす系統の能力でなければ鏡花の能力の大部分までばれていたかもしれないそういう意味ではこちらに流れが向いてきている「あと二回、あと二回陽太君が突進したらさっきの作戦をやって」「わかったわ・・・気を付けるのよ」「うん、任せて」そういって移動を始める明利恐らく相手の死角に回るつもりなのだろう先程のような投擲と同じように攻撃するのであれば一発目で隙を誘発し、陽太の攻撃と合わせて体勢を崩させ、本命の一発で機動力を奪うか、または仕留めるかしなくてはならないその場合、欲に言えば投擲などと言う不確かな要素を含んだ攻撃手段を使うべきではない確実に自分の手で行うべきなのだ相手の足を傷つけるにしろ、そして相手を仕留めるにしろそして陽太の二度目の突進が行われた瞬間に、鏡花は周囲に仕掛けてあったトラップを発動して目標に向けて投石を始める相手も同じ行動をしたことで、また本命の一発が来ることを確信しているのか、周囲を若干警戒しだした陽太の突進があと数メートルに入ったところで鏡花の所持していたナイフをトラップで目標に向けて射出する今度は完全に警戒していたためか、石に当たりながらでもナイフをかわすことに成功するそして同時に訪れる陽太の突進を、跳躍し、自分のいた場所の近くに爆発を起こすことでその爆風で強引に距離を作って回避する転がりながら即座に体勢を整えたその後ろから、明利の姿が見えたナイフを持ち、強い殺気を放ちながら目標めがけてその刃を突き立てようとしている瞬間、鏡花は陽太の言っていた言葉を思い出す『もし相手を追い詰めたら、そん時は明利の行動に注意してくれ』相手を殺さないように、明利が人殺しなどしないように、陽太から受けた忠告だったはず相手を追い詰めることに集中しすぎて失念していた今の明利は普通ではないのだ止めようとする前に明利のナイフが目標に向けて突き立てられるだが、その刃が目標の体に届くことはなかった明利の殺気を感じ取ったのか、瞬時に体を翻し、明利の喉を掴んでナイフを遠ざけた体の小さな明利と、体格のある大人では腕の長さの違いは歴然、完全に腕を伸ばした状態でも、ナイフがあってもかすりもしていないようだった石に混じってナイフを当てる、一本目は布石で二本目が本命奇しくも先ほどと同じ状態になってしまったのが災いした似た状況になれば誰だって同じ状況になるのではと考えるのが当然だ陽太の攻撃を防ぎ、鏡花のトラップで投擲されたナイフを回避して、さらにもう一つ何か攻撃が来ると予測していたのだそれがまさか明利自身の直接攻撃だとはさすがに予想していなかったのだろうが、抑えきれない殺意と、低い身体能力が十分に対応できるだけの余裕を与えてしまった「狙いはいい、事実危なかった・・・だけどその殺気はわかりやすすぎるぞ、お嬢さん」僅かに呼吸を阻害されながらも、明利はナイフを何とか目標へと届かせようと腕を伸ばすだが、まったく届かない明利の身長があと十センチでも高ければ、かすり傷くらいは負わせられただろうが、身長の低さが災いした「もう一人隠れているだろう!?出てこい、こいつの命が惜しければな!」陽太を再び遠くへと追いやりながら周囲にいる鏡花に向けて語りかける実質今の明利は人質状態だ、出なければ明利の命はないだろう運が良ければやけどで済むかもしれないが、最悪、死ぬそんなことはダメだ、もうこれ以上班員から死者を出すわけにはいかない鏡花は歯を食いしばって茂みから身を乗り出し、目標を見下ろす「よしいい子だ・・・この成り、学生か?いい能力者になれるぞお前ら」まるでどこかの知り合いであるかのような気安さで話しかける相手に、明利は抵抗の意志をなくしたのか、それとも酸素が足りず思考できなくなっているのか、ナイフを動かすのをやめて腕を下ろしていた「あの炎の奴もお前らの仲間だな?あいつを止めろ、でなけりゃこいつの命はないと思え」その言葉に、鏡花は歯噛みする「残念だけど、あいつ今暴走中よ、私たちでも止められない・・・止められるかもしれない奴は・・・いるけど」「ならそいつに言って止めさせろ、いい加減あいつの相手は飽きてるんだ」止められるかもしれない人物、それは静希の事だ陽太の性格や行動、そして能力をほぼ正確に知り尽くしている静希なら、打開策も思いついたかもしれないが、今の鏡花たちでは陽太は止められない仮に大量の土を展開して動きを封じようとしても、すぐさま破壊されるだろう誤字報告が五件たまったので複数投稿どうすれば多くの人に見てもらえるかとか考えだすと何もかもがダメなんじゃないかって思えてくるから難しい・・・普通に書きたいものかいていた方がいい気がしてきた・・・これからもお楽しみいただければ幸いです